院長黒坂の独り言です。
最近、ある事情で、『何もなかったように』という歌を久しぶりに聴いています。
『何もなかったように』は、
ユーミンこと松任谷由実さんが荒井由実時代に出したミリオンセラーアルバム「14番目の月」
の収録曲です。コンサートでは、まず歌われない地味な曲ですが、私の大好きな歌です。
愛犬を失った悲しみ、喪失感、そこから立ち直っていく心の在り様を、
淡々とした歌詞と抑制の効いたアレンジ、そしてユーミンのノンビブラート唱法で、
見事に表現しています。
往年のアメリカジャズの名歌手ナット・キング・コールの名唱で有名な『Nature Boy』に
“The greatest thing you've ever learned
is just to love and be loved in return.”
「あなたが人生で学ぶ最も大事なことは、愛し愛されることです。」という一節があります。
ユーミンの『何もなかったように』にも、この言葉に通じる深く重いテーマを私は感じます。
以下に『何もなかったように』の全歌詞を掲載します。
♪ 夕べの吹雪は踊り疲れ 庭を埋めて静かに光る
年老いたシェパードが遠くへ逝く日
細い骸(むくろ)を 風がふるわす
人は 失くしたものを 胸に 美しく刻めるから
いつも いつも 何もなかったように 明日を迎える
本当の光に満ちてた頃が いつかを知るのは 過ぎ去った後
誰かが 戸口で 慰め言っても
もう忘れたよと 答えるだろう
人は 失くしたものを 胸に 美しく刻むから
失くしたものを 胸に 美しく刻めるから
いつも いつも 何もなかったように 明日を迎える ♪
『何もなかったように』(作詞・作曲・歌:荒井由実)