院長黒坂の独り言です。
『一切なりゆき 〜樹木希林のことば〜』 樹木希林著(文春新書) は、
女優の樹木希林さんが生前に語られていた言葉を、活字として編集した本です。
私黒坂、先日還暦となり、以前ほど本を買わなくなったのですが、
この本を書店で立ち読みし、ぺらぺらとページをめくるうちに、珠玉の言葉の数々に
目が釘付けとなり、思わず購入してしまいました。
何かに傷ついたり挫折したりして、思い悩んでいる方に、
是非、読んでもらいたい一文がありました。
嚙むほどに心に沁みる樹木さんの言葉を玩味していただけたらと思い、
この本の珠玉の名文の一つを以下に抜粋掲載します。
『人生なんて自分の思い描いた通りにならなくて当たり前』
人生なんて自分の思い描いた通りにならなくて当たり前。
私自身は、人生を嘆いたり、幸せについておおげさに考えることもないんです。
いつも「人生、上出来だわ」と思っていて、物事がうまくいかないときは
「自分が未熟だったのよ」でおしまい。
こんなはずでは・・・・・というのは、自分が目指していたもの、
思い描いていた幸せとは違うから生まれる感情ですよね。
でも、その目標が、自分が本当に望んでいるものなのか。
他の人の価値観だったり、誰かの人生と比べて
ただうらやんでいるだけなのではないか。
一度、自分を見つめ直してみるといいかもしれませんね。
お金や地位や名声もなくて、
傍からは地味でつまらない人生に見えたとしても、
本人が本当に好きなことができていて
「ああ、幸せだなあ」と思っていれば、
その人の人生はキラキラ輝いていますよ。
(「『こんなはずじゃなかった』それでこそ人生です。」2016年6月)