院長黒坂の独り言です。
映画『ローマの休日』は、
オードリー・ヘップバーン(アン王女)とグレゴリー・ペック(新聞記者ジョー)の
ローマでのロマンスと切ない別れの物語です。
最近では、明石家さんまさんがCMで、「真実の口」のシーンで、
オードリー・ヘップバーンと共演してますね。
この映画に数多くある名シーンの中でも、あの「真実の口」のシーンは、
オードリー・ヘップバーンのチャーミングな仕草と
グレゴリー・ペックのユーモア溢れる二枚目ぶりが、特に印象的で、私も大好きです。
そして、もうひとつ、この映画を見た後に深い余韻を残すのが、
最後に、誰もいなくなった記者会見場を立ち去る新聞記者ジョーの足音です。
コツ・コツ・コツ・・・・・・・・・・・
二度と過去には戻れない、新たな方向に歩み出す、一歩一歩の足音。
その直前、今生の別れとの思いを込めて、人知れず交わされた、記者会見での、
アン王女と新聞記者ジョーの微笑みとアイコンタクトに、心打たれます。
この別れの決断の背後に、
二人の胸中に、どれ程の苦悶・葛藤・逡巡があったことかと推察されます。
自分自身の背負っているものの大きさ・重さを顧みたアン王女の内省力。
彼女を本当に愛してしまったが故に、分をわきまえ、大スクープも諦め、
別れを決断した新聞記者ジョーの男らしい潔さ。
どこぞの国の能天気なプリンセスとその恋人には、無いものねだりでしょうか!?